https://www.youtube.com/watch?v=czT1o8hvlHw
目次
3行要約
- 国際政治アナリストの伊藤貫氏が、戦後77年の日本は「占領軍が作った憲法」「日米同盟」「核の傘」という3つの嘘の上に成り立っており、自民党・外務省・防衛省・保守系メディアまでがそれを信じるふりをしていると批判した。
- 日米同盟は日本を独立させないための「二重の封じ込め(ダブル・コンテインメント)」であり、核の傘を支えるカウンターフォース理論は考案者自身が後に嘘だと認めたものだとして、日本は自主防衛と核抑止力を持つべきだと主張した。
- ウクライナ戦争については、米国の対ロ政策が招いたものだとして早期停戦を訴えた。戦争が拡大して米国が東アジアに手を回せなくなれば、日本は中国の属国になりかねないと警告した。
詳細要約
0. 講演の概要
- 伊藤貫氏(ワシントン在住の国際政治・米国金融アナリスト)が日本で行った講演と質疑応答(チャンネルの説明によると、削除された動画の転載。講演は2022年ごろとみられる)
- 日本の外交・国防政策は嘘で塗り固められており、左翼だけでなく保守も嘘にどっぷり浸かっていると主張
- 「この嘘を信じるふりをしている限り日本は潰れる。運が悪ければ来年、良くても十数年後に」と警告
1. 第一の嘘:占領軍が作った憲法に正当性はない
- 制定の経緯
- 1946年1月に大規模な公職追放で日本の指導層を震え上がらせた後、わずか8日間ほどで草案を作成
- 起草した25人のうち法学部出身は4人だけで、憲法学の専門家はゼロ
- 伊藤氏が取材した起草メンバーの若手陸軍将校は「なぜ日本人はあんな押し付け憲法をまだ使っているのか」と語った
- 9条に固執したのはマッカーサーとケーディスで、国防総省の幹部の多くは反対していたという
- 言論・報道・政治活動の自由がない占領下で審議された憲法に正当性(レジティマシー)はない
- 吉田茂は再軍備を避ける道具として9条を利用し、岸・佐藤兄弟はCIAから政治資金を受け取っていたため、自民党は「押し付け憲法」とは言えない、と伊藤氏は主張
- 処方箋
- 元外務次官・村田良平氏の回想録は、憲法の無効を宣言すべきだとしている
- 伊藤氏は、新憲法の制定会議を開くと大学教授やマスコミが騒いで収拾がつかなくなるとして、英国のような不文憲法を理想とする
- 現行憲法を「法律」の地位に引き下げ、国会の過半数で少しずつ改正できるようにする。まず9条を廃止する
- 現行憲法の改正手続きに従うと、その正当性を認めることになるので不可
2. 第二の嘘:日米同盟は本当の同盟ではない
- 米国は早くから日本の非武装化を決めていた
- 1941年8月の大西洋会談で、ルーズベルトとチャーチルは「日本を叩いた後は二度と軍事力を持たせない」と合意していたという
- 1942年春のルーズベルト・モロトフ会談でも同じ方針が伝えられた
- 1947年の国務省政策企画室の文書は「日本を米国の衛星国としてのみ機能させる」としている
- メルヴィン・レフラー教授らは、日本を封じ込め、その日本を使って冷戦期はソ連、現在は中国を封じ込める「ダブル・コンテインメント」と呼ぶ
- 1992年に国防総省の「国防計画指針」がリークされ、米国の潜在的な敵国としてロシア・中国・日本・ドイツが挙げられていた
- 内外の識者の指摘
- 村田良平氏:日米安保の本質の半分は米国による占領の継続。外務官僚は米国に洗脳されていることに気づいていない
- ミアシャイマー教授:日本は「疑似独立国」にすぎない
- ジョン・ダワー氏:日米関係は日本を縛る拘束具であり、冷戦後に従属はむしろ深まった
- ガバン・マコーマック氏:日本は自ら進んで属国の役割を果たしてきた
- ロバート・アート氏、マスタンドゥノ氏:米国は日本を普通の独立国にしたくない
3. 第三の嘘:核の傘は存在しない
- カウンターフォース理論のからくり
- ケネディ政権以降、核攻撃を段階的にエスカレートさせても米国が常に優位に立てるという「エスカレーション・ラダー」理論が唱えられた
- 伊藤氏によれば、これは日独に核拡散防止条約(NPT)を受け入れさせるための口実だった
- 核ミサイルは30分で届くため、現実には「使えるうちに使え」となり、段階的なエスカレーションはありえない
- 提唱したマクナマラ元国防長官とバンディ元補佐官自身が、1970年代に「米大統領は核ミサイルが1発飛んでくると考えただけで核戦争から逃げ出す」と認めた
- ブロディ、ウォルツ、ジャーヴィス、ポーゼンら一流の戦略理論家も否定しているのに、日本の官僚は読んでいない
- 米国の本音
- ブレジンスキー元補佐官:米中間には日本に核を持たせないという約束がある
- ウォルフォウィッツ元国防副長官:米国のアジア政策の2本柱は「中国とは戦争しない」「日本にだけは核を持たせない」
- 伊藤氏が米政府の元高官78人と1対1で議論したところ、日本のために核の撃ち合いをするとは誰も言わなかった
- 元官僚の証言(『核兵器について、本音で話そう』)
- 兼原信克氏:日米首脳会談で核が真剣に議論されたことは一度もなく、日本は「核の傘は本物か」と聞いたこともない
- 髙見澤將林氏:米国の拡大抑止の根底には日本の核武装を抑える「瓶の蓋」論がある
- 九州が核攻撃されても米国は撃ち返さないだろうし、最前線の非核国は安心できない
- 安倍元首相も核の議論からは逃げた。中川昭一氏が核議論を提起した際、自民党議員は全員逃げたという
4. ウクライナ戦争と日本
- エリツィン時代、米国主導の国有資産民営化でロシアは食い物にされ、男性の平均寿命は10年で67歳から57歳に下がった(CIAの元分析官フリッツ・アーマース氏の議会証言などに基づく伊藤氏の説明)
- NATOを東方に拡大しないという約束は破られ、2008年にはジョージアとウクライナのNATO加盟方針が示された
- 2014年のマイダン革命は国務省とCIAが仕掛けたもので、親ロ派の東ウクライナと反ロの西ウクライナは本来別の国だ、と伊藤氏は主張
- ミアシャイマー氏、キッシンジャー氏、ポーゼン氏ら保守派の現実主義者も早期停戦を主張している
- 日本への影響
- ロシアがドンバスやクリミアを追われれば戦術核を使い、NATOとロシアが正面衝突するおそれがある
- 米国は2つの大国と同時に戦う能力がないため、その隙に中国が台湾を攻撃し、日本を核で恫喝しかねない
- 最悪の場合、日本は中国の属国になる。日本政府こそ早期停戦を強く求めるべき
- メルケル前首相もミンスク2合意を無にしたことに憤っているという
5. 質疑応答
- 核武装について
- 米国に正面から「被爆国の日本にだけ核を持たせないのは不道徳だ」と言い返すべき
- 核兵器は戦争をさせないための兵器であり、日本の核保有は東アジアの安定につながる
- 秘密開発は米国にすぐ知られ、CIAが動く危険があるので、公然と主張してから進めるべき
- 日本人の情緒主義(好き嫌いや国民感情)が論理的な議論を止めてしまっている
- 日本再生の処方箋
- 明治の教育改革で、武士道・天皇、仏教、漢籍(儒学)という日本人の価値判断の3本柱のうち2つを捨てたことが思考力低下の根本原因
- 英語ができるだけでは深い価値判断は身につかない。古典教育の再評価が必要

