【なぜ?】強気だった習近平が態度一変!高市首相への「撤回要求」を引っ込めた理由(EP-698)【柯隆の中国政経塾】

▶ https://youtu.be/bPu7MnPBZ98

目次

■ 3行でわかる

① 岩屋毅前外相が経済界のミッションを率いて訪中し、王毅外相と何立峰副総理に相次いで会談した。習近平政権が高市首相の「台湾有事は日本有事」発言の撤回を求めなくなったのではないか、という指摘が出ている。

② 柯隆氏は、撤回要求が通らないまま日中交流の断絶が長引くことや、ピーク時から約3割の日本企業が中国を離れたことが、低迷する中国経済にとって痛手になっていると分析する。

③ 高市政権内に中国に通じるキーパーソンがおらず情報が漏れないことも中国側の焦りの一因だとし、撤回要求を取り下げたと断じるのは時期尚早で、関係はソフトランディングに一歩二歩近づく程度だと見ている。

動画の概要

中国経済の専門家・柯隆氏による解説番組(2026年10月1日収録)。前回に続き、岩屋毅前外相の訪中を取り上げ、強硬だった習近平政権が高市首相への「撤回要求」を口にしなくなったとされる背景を読み解く。冒頭では、視聴者からの質問に答えて、中国のヒューマノイドロボットの軍事転用の可能性についても語っている。

主なポイント

1. ヒューマノイドロボットは軍事転用できるか(視聴者の質問)

  • ロボットは家事や介護に使えるデュアルユース技術であり、中国が将来の軍事転用を意図していることは否定できない。ロボットの軍事利用を禁じる国際的な規定も現状ではない。
  • ただし、北京のロボット大会で披露された短距離走やボクシング、ダンスをするロボットは「おもちゃにすぎない」と柯隆氏は評する。
  • 戦場は平らな場所とは限らず山岳地帯の可能性も高い。凹凸のある地形を人間以上に歩き、攻撃し、回避するには半導体チップの大幅な進化が必要で、現状の技術レベルでは役に立たない。
  • 軍事転用の段階に近づけば、米中だけでなく国連の場で規制を議論すべきだと提言した。

2. 「撤回要求」が消えた?

  • 北海道の大学に所属する中国人研究者が中国政府の公式文書を読み込み、高市首相の「台湾有事は日本有事」発言の撤回を求める文言が消えていると最初に指摘した。
  • 昨年11月以降、中国は撤回を強く要求し、大阪総領事が「汚い首は斬ってやる」と暴言を吐くなど、常軌を逸した対応を取ってきた。
  • しかし最近は、議員団との面会や日本の大学生の招待など「外堀を埋める」ような動きが目立ち、今回は王毅外相だけでなく何立峰副総理まで会談に出てきた。王毅氏はパフォーマンスが多く本心が読みにくい人物だが、何立峰氏は終始笑顔で、過激な言葉もほとんどなかった。

3. 中国が態度を変えた理由

  • 高市政権が発言を撤回できるはずがなく、撤回しない限り関係を改善しないという姿勢を貫けば、日中の交流が途絶えたままになり、中国にとっても不利になる。中国の研究者も日本のフォーラムやシンポジウムに来られなくなっている。
  • 約50人の経済界ミッションに代表されるように、日本企業は正常化を求めている。中国では日本人ビジネスマンの拘束も続いている。
  • 帝国データバンクの統計では、ピーク時と比べて約3割の日本企業が中国から撤退した。中国経済が低迷する中でさらに撤退が進めば、日本企業から技術を学ぶ機会も失われる。
  • ワシントンでの米中首脳会談は派手なパフォーマンスの割に成果が乏しく、11月の米中間選挙後のトランプ政権の出方も読めないため、日本との関係を早めにある程度正常化しておきたいという思惑もある。

4. 高市政権の「情報が漏れない」強み

  • かつては幹事長まで親中派だったため、政権内部の情報はほぼリアルタイムで中国に漏れていた可能性が高い。
  • 現在の高市政権には中国に通じるキーパーソンがいない。仲介役がいないというデメリットはあるが、対米交渉や対中方針などの情報が中国に一切漏れず、足元を見られないというメリットがある。
  • 中国にとって最も困るのは「分からない」ことであり、対日姿勢を和らげる狙いの一つは、日本側が何を考えているかを知ることにあると柯隆氏は分析する。

まとめ・結論

公式文書の表現が一、二度変わったからといって、中国が撤回要求を完全に取り下げたと見るのは時期尚早だ。中国は高市政権の動きを見ながら次の一手を判断する駆け引きの段階にある。岩屋氏が北京から前向きなメッセージを持ち帰ったとしても高市首相を動かすことはできず、日中関係が急速に正常化するとは考えにくい。ただ、ピリピリした関係はいくらか和らぎ、ソフトランディングに向けて一歩二歩は進むだろう、というのが柯隆氏の見立てだ。


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この記事を書いた人

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