https://www.youtube.com/watch?v=nqQlvukttTw
■ 3行でわかる
① 東京を拠点とするロシア軍情報機関の活動報道を受け、中国はサイバー攻撃や在日約100万人の中国人、国家情報法7条を背景に、日本企業の技術を狙った情報活動を行っていると指摘され、国家情報局に続くスパイ防止法の整備が課題に挙がりました。
② 中国による沖ノ鳥島周辺での初の射撃訓練をめぐり、野村修也氏は「ハーグ判決10周年で14か国をまとめた日本の国際法に基づく主張こそ防衛」と訴え、近藤大介氏は「中国の反発を想定した準備と覚悟がないまま踏み込むのが問題」と激論しました。
③ 米国の内向き化で日本は自主防衛力の強化や同志国ネットワークの構築を迫られる一方、国交正常化以来初めて高市内閣に中国との「パイプ役」が不在で、非常口のない状態だという警告も出されました。
動画の概要
「別冊!ニューソク通信」の増刊号(ショート版)。須田慎一郎氏、弁護士の野村修也氏、中国ウォッチャーの近藤大介氏、倉田真由美氏、新田哲史氏らが出演し、スパイ問題、習近平政権の本気度、沖ノ鳥島での中国の射撃訓練、日本の対中戦略をめぐって意見を戦わせます。
主なポイント
1. ロシアのスパイ報道と中国の情報活動
- ニューヨーク・タイムズが、ロシア軍情報機関が都内の航空会社事務所を拠点に活動していると報道。米情報機関が日本の無策に業を煮やしてリークしたとの見方も。
- 近藤氏は、中国の手口はロシアのような古典的なものではなく、日常的なサイバー攻撃や、特定企業の技術情報を狙ったものだと解説。
- 在日中国人は約100万人、帰化した人も多く、2017年の国家情報法7条で国外の自国民にも情報活動への協力が義務づけられている。
- 2008年の北京五輪聖火リレーでは、日本の中国人留学生が日当5000円・交通費付きで動員された事例も。台湾で続けてきた情報戦を日本に応用しているとの指摘。
2. スパイ防止法の必要性
- 野村氏によれば、国家情報局の創設と首相の情報アクセス権の整備で「組織」はできたが、動き方を定める第2弾として、スパイ防止法と海外でのヒューミント(人的情報収集)の整備が控えている。
- 反対派は「一般市民まで監視される社会になる」と主張するが、過去のスパイ摘発は企業秘密を持ち出すなど明らかに特殊な行為であり、一般市民の監視にはつながらないと反論。
- 高市政権でなければ前進は難しいとの声も。近藤氏は「中国が欲しいのは政治家の情報より日本企業の技術」と強調。
3. 「習近平を舐めてはいけない」― 台湾発言をめぐる激論
- 近藤氏は、在日中国人の知人たちが「習近平は本気で日本と戦争する気ではないか」と恐れ始めていると警告。
- 倉田氏は、高市首相の台湾発言は筋が通っており、中国に及び腰の外交ではいけないと主張。
- 近藤氏は「中国が触れてほしくない領域に踏み込むなら、何が起きるかを理解し、準備と覚悟を持ってやるべき」と反論。
- 野村氏は、国際社会で日本の主張の正しさを訴えることこそ防衛であり、非核三原則の「持ち込ませず」を見直して米国の核の傘を実効あるものにすべきと提言。台湾有事では中国が尖閣を軍事拠点に使うと指摘。
4. 沖ノ鳥島での射撃訓練と国際法
- 中国は「沖ノ鳥島は島ではなく岩なので排他的経済水域はない」として、通報なしで初の射撃訓練を実施。
- 背景には、南シナ海をめぐるハーグ仲裁判決から10周年の7月12日に、日本が14か国の声明をまとめ、日曜にもかかわらず外務大臣談話を出したことへの反発があるとの見方。
- 野村氏は、南シナ海の岩礁を「島」と主張しながら沖ノ鳥島を「岩」とする中国の論理は矛盾していると批判し、法の支配を国際社会と共に訴えるべきと主張。
- 近藤氏は、中国の狙いは周辺海底のレアアースなど鉱物資源であり、日本は毎回不意を突かれていると指摘。倉田氏はホルムズ海峡の不法な通行料の例を挙げ、不法な主張には毅然と対応すべきと述べた。
5. 米国の内向き化と日本の自主防衛
- トランプ政権は基本的に内政重視で、次期政権がバンス氏ならさらに内向きになる可能性も。日米安保は残るにしても、日本は自主防衛の比率を高めざるを得ない。
- 欧州はすでに防衛費を大幅に拡大。安倍元首相が構想した核シェアリングも本気で議論すべきとの声。
- 野村氏は、同志国とのネットワーク強化、ホルムズ海峡封鎖時のアジア向けエネルギー支援(パワー・アジア)、フィリピンなどへの中古装備輸出、「自由で開かれたインド太平洋」の再強化を評価。
- 近藤氏は、米国が引く中でアジア諸国は北京寄りになりつつあると現実を指摘。
6. 中国との「パイプ」不在という危うさ
- 近藤氏は、1972年の国交正常化以来、常に中国とのパイプ役の政治家がいたが、高市内閣には初めて不在だと指摘。「ビルに非常口や消火設備がないのと同じ」と警告し、親中派と叩かれても自民党内に一定数作るべきと提言。
- 一方で、消費税減税や国旗損壊罪に反対しているのも親中派だとの反論も。
- 中国国営CCTVでは日本の高市批判者が連日登場するが、中国の視聴者は「日本では首相の悪口を自由に言える」と日本の民主主義に感心しているという。
まとめ・結論
中国の情報活動や沖ノ鳥島での射撃訓練など、日本への圧力は確実に強まっています。国際法に基づく主張と同志国との連携、スパイ防止法の整備、自主防衛力の強化を進める必要がある一方で、中国の反発を見越した「準備と覚悟」、そして万一に備えた対話のパイプも欠かせない ― 立場の違う論者の激論から、日本の対中戦略の論点が浮かび上がります。
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