3行要約
① 自民党の森山前幹事長が「訪中団は立法府を代表している」「林芳正氏は首相を務める能力がある」と発言したことに対し、前駐豪大使の山上信吾氏が3つの論点から厳しく反論した。
② 森山氏は自身の経歴について有権者への説明責任を果たしておらず、この時期の訪中は国益を損なうもので、しかも団長を高村正彦元外相の子息・高村正大議員が務めたことは世襲政治の劣化の表れだと批判した。
③ 林氏は外相時代、2022年の中国によるEEZへのミサイル着弾で中国大使を呼んで抗議せず、日本産水産物の全面禁輸でもWTOに提訴しなかった「媚中」外交の人物であり、厳しい安全保障環境とトランプ政権下で総理の器ではないと断じた。
動画の概要
前駐オーストラリア特命全権大使で、40年間外務省に在籍した山上信吾氏が、自民党・森山前幹事長の「訪中団は立法府を代表している」「林芳正氏が総理にふさわしい」という発言に「目が点になった」として、3つの論点から切り込んだ回です。
主なポイント
1. 森山前幹事長自身の説明責任
- 森山氏の経歴・出自についてはネット上などで指摘があるが、本人は肯定も否定もせず、説明する姿勢を見せていないと指摘。
- 山上氏は「外国出身だからいけないとは一切言っていない」と断ったうえで、政治家は自らの履歴を明らかにし、政治的な考えを示して信を問うのが民主主義のいろはだと強調した。
- 訪中団歓迎や林氏推しは中国共産党も喜ぶ主張であり、根拠を示さない発言だからこそ「中国共産党と何か関係があるのか」と疑念を招く。それを説明するのが政治家の務めだと述べた。
2. 訪中団は「立法府の代表」ではない
- 今の時期に訪中するのは国益を損なうもので、「百害あって一利なし」の外交センスの欠如だと批判した。
- さらに衝撃だったのは、団長が自民党の高村正大議員だったこと。山上氏は自身が仕えた外相の中で最も立派だった一人として父の高村正彦元外相を挙げ、その子息が訪中団の片棒を担ぎ、団長まで務めたことに強い落胆を示した。
- 世代を経るたびに劣化していく自民党の世襲政治の実態が表れていると懸念した。
3. 林芳正氏は「総理の器」ではない
- 林氏への「安定感がある」という評価に惑わされてはいけないと指摘。欧米のリーダーは体型の自己管理も含めて厳しく見られていると述べた。
- 「東大・ハーバード」という経歴にも目くらましされるべきではないとした。山上氏は林氏や赤沢亮正氏と同じ1984年(昭和59年)の東大法学部卒業生で、当時志ある学生の多くは司法試験・国家公務員試験・外交官試験のいずれかに挑んだが、林氏はいずれにも合格していないと述べた。
- 東大法学部は1学年約630人おり、トップと最下位の差は大きい。同級生は人となりを知っているため評価は厳しいとした。
4. 外相時代の「媚中」外交の実例
- 2022年8月、中国が初めて日本のEEZにミサイルを撃ち込んだ際、林外相は中国大使を呼びつけて抗議することさえしなかった。
- その後、中国が日本産水産物を全面輸入禁止にした際も、WTOに提訴しなかった。2010年に中国がレアアースの輸出を止めた際には、日本はWTOに提訴して勝っており、同じ対応をとるべきだったと指摘した。
- これらの事例から、中国に対して事を荒立てない外交をしてきたのが林氏であり、ネットで「媚中」と言われても仕方がないとした。
まとめ・結論
日本は中国・ロシア・北朝鮮に囲まれた厳しい戦略環境にあり、トランプ政権の米国とも渡り合わなければならない。そのなかで林氏が首相になっても米国に好かれることは期待できず、石破政権時代に逆戻りしてしまうと山上氏は警告した。森山氏がそこまで分かったうえで発言しているのか疑問を禁じ得ないと結んでいる。
▶ 元動画を視聴する(外交官チャンネル〜山上信吾10minutes〜)

