https://www.youtube.com/watch?v=qB0bwov7KKg
■ 3行でわかる
① 日経平均は7万円目前だが、AI・半導体など一部テック銘柄が時価総額の約40%を占める歪んだ上昇で、歴史上この水準を超えると例外なく金融崩壊が起きてきたと長嶋修氏は警告する。
② フラット35金利が1年で約1%から3.85%に上がり住宅市場は冷え込み始めたが、下がっているのは売り出し価格で成約価格はほぼ横ばいのため、株式市場が崩れない限り不動産の暴落はないという。
③ 今の金融システムは膨張し続けるしかない宿命にあり、ステーブルコインやマイナンバーカードの普及を経てデジタルマネーへの「金融リセット」に向かうが、その冬を越えた先には明るい未来があると説く。
動画の概要
不動産コンサルタントの長嶋修氏が、聞き手の心(こころ)さんと「金利上昇は経済崩壊の足音か」をテーマに語る約62分の対談です。日経平均7万円目前の株高の実態、住宅ローン金利上昇と不動産市場、円安とドルの行方、ステーブルコインと金融リセット、米中関係や米中間選挙の見通しまで、目先の値動きに振り回されず長い時間軸で世界の構造変化を読み解いています。
主なポイント
1. 日経平均7万円目前、その裏で広がる歪み
- 日経平均は6万9000円台まで上昇したが、牽引しているのはAI・半導体など一部のテック銘柄で、ほとんどの銘柄は下落している
- 特定の銘柄・業種・テーマの時価総額が全体の40%を超えると、歴史上例外なく金融崩壊が起きてきた
- 一方、金融崩壊が起きないのであれば、マネーが膨らみ続けるしかない資本主義経済の仕組み上、株価は7万・8万・10万円コースに進む
2. 日米の金利上昇と住宅市場
- 米国の長期金利は5%、住宅ローン金利は7%に達し、毎月10万円の返済のうち元金は9000円ほどという状態だが、旺盛な需要で住宅市場は崩壊していない
- 日本は年内に複数回の利上げが市場で織り込まれているが、日米金利差は縮まらず円安ドル高が続いている
- バブル崩壊以降のゼロ金利・マイナス金利で金融が伸び切っており、今から利上げしてもしなくても苦しい状況。本来はもっと早く上げるべきだった
- フラット35の金利は1年で約1%から3.85%まで上昇。一部ネット銀行は変動金利も引き上げ、住宅市場は冷え込み始めている
3. 見るべきは売り出し価格より成約価格
- 億単位で値下がりしたタワーマンションは「行き過ぎたスケベ価格」がはがれただけで、バブル崩壊の合図ではない
- 大きく下がっているのは売り出し価格で、成約価格は年率0.何%程度とほぼ下がっていない
- 不動産市場が株式市場に先がけて暴落したことは一度もなく、暴落が起きるのは株式市場が崩壊した後
- 金利が上がれば同じ返済額で借りられる額が減るため、価格が下がってもローン利用者にとっては実質的に同じこと
4. 住まいを投資だけで選ぶな
- どこが上がった・下がったと偏差値競争のように住まいを選ぶのは偏りすぎ
- 本来のマイホームは、好きな街・駅・商店街に焦点を当てて選ぶもの
- 「資産価値が落ちる家を買うのは負け組」という風潮は、この10〜15年ほどの特殊な状況にすぎない
- 立地の良いところほど賃料はこの先2〜3年でさらに上がるため、買い時の判断はより複雑になっている
5. 金融リセットへの準備は進んでいる
- 今の金融システムはどこまでも膨らませる必要がある仕組みで、最初から賞味期限が決まっていた
- AIやロボットでホワイトカラー、やがてブルーカラーの仕事も減る社会では、今の金融システムが合わなくなる
- 金融リセットの時期は正確には読めないが、2019年から予測している順番はずれておらず、カウントダウンは始まっている
- 次の金融システムは紙幣・硬貨ではなくデジタルマネーとなり、ステーブルコインはその前哨戦。日本でもJPYCや3大メガバンク、大手カード会社がステーブルコインに参入
- 手数料が収益源のカード会社がステーブルコインを手がけるのは、デジタルマネーに駆逐される前に自ら取り組む「捨て身」の戦略
- 1億枚を超えたマイナンバーカードが最終的にウォレットとなり、年金やベーシックインカムの受け取り口座になると予想
6. 円・ドルの行方と資産の考え方
- 止められない金利上昇で円が紙くずになれば現金保有者は苦しむが、ドルが崩れて円が残れば現金が有利になる。選択肢は金融システムの崩れ方次第
- 長嶋氏個人は資産を満遍なく分散し、米ドルに関連する資産は一切持っていないという
- 米国は自国の輸出のためドル安を望んでおり、購買力平価から見て円は50%ほど安すぎる。円高に転んでも株式市場にはむしろポジティブに働く可能性がある
- 最終的には金融システムが丸ごと入れ替わり、税金がほぼゼロで関税だけが残る社会になるという見立て
7. 世界の大きな流れは変わらない
- 米中間選挙ではトランプ政権が負けるシナリオも十分あり得るが、時期がずれても大きな流れは変わらない
- 米シンクタンクが米軍を第1列島線から第2列島線へ引き下げる構想を発表しており、いずれ在日米軍はグアム方面へ下がると予想
- 「米国が日本と中国を戦わせようとしている」という見方は逆で、トランプ大統領と習近平主席は協力して次の世界体制を作ろうとしていると推測
- 大きな文脈では世界の中心は「西から東」へ移っており、日本ほど相対的に安定した国は今の世界に少ない
8. 長い時間で考える ― 新刊と災害への備え
- 新刊『長い時間で考える』では、数百年・千年単位で物事を見立て、近視眼的・感情的にならずに未来を予測する方法を解説
- 東京で30日以上続いた長雨については、自然か人工かよりも、結果として起きている現象を冷静に見ることが大事
- 長雨で地盤が緩んでいる可能性があり、「これまで大丈夫だった」というバイアスに注意。ハザードマップの確認や、自宅の相対的な高さ、マンション地下の電気設備のリスクも確認を
- AIについてはターミネーターのような世界は訪れず、ライト兄弟の飛行機が今のジャンボジェットになったように安全性は高まっていくと楽観的に見ている
まとめ・結論
金利上昇や株高の歪みは、膨張し続けるしかない今の金融システムが終わりに近づいているサインだと長嶋氏は見ています。ただし不動産の暴落は株式市場の崩壊が先であり、SNSの煽りに振り回される必要はありません。ステーブルコインやデジタルマネーの普及を経て金融リセットという「冬」が訪れるものの、その先には明るい未来が待っている。目先の値動きではなく長い時間軸で構造を見立て、一人ひとりがリテラシーを持って備えることが大切だというのが結論です。
▶ 元動画を視聴する(長嶋修の「新世界の歩き方」〜お金・歴史・意識の未来案内〜)

