「SNSの次は、リアルに戻る。」AI・YouTubeで情報が飽和した先に来る、コミュニティ、物質、土地、国家の時代。【佐藤航陽の宇宙会議】

▶ 元動画:https://www.youtube.com/watch?v=jZM3xIAbHMg

目次

■ 3行でわかる

① 佐藤航陽氏は、AI時代には中間のプロセス仕事がほとんど自動化され、人間に残るのは「始まりをつくる力」と「最後に責任を取る力」だけになると語る。さらに、AIのトップ企業が電力やデータセンターで稼いでいるように、価値は増やせない物質・土地・エネルギーと、法的な権利に戻っていくと指摘する。

② 言葉や概念は無限に生み出されてインフレし、SNSの影響力も腐っていく。だから、本という「紙」や不動産、制度のように物理と結びついた「アンカー」を持つ人だけが虚業ではなく実業として存在できる、と分析する。

③ 箕輪厚介氏の週刊誌訴訟プロジェクトや、佐藤氏の「新しい言語をつくる」構想を例に、世界に対して「おかしいだろう」と疑い続ける力こそがAI時代の人間の仕事だと二人は結論づけている。

動画の概要

佐藤航陽氏のYouTubeチャンネル「宇宙会議」に、『お金2.0』『世界2.0』『プラネタリア』を手がけた編集者の箕輪厚介氏が登場した約2時間の対談です(モデレーターは片山俊大氏)。AIによって情報があふれた先に何が残るのか、虚業と実業を分けるものは何か、風を読む力、物語の構造、人間の「問いを立てる力」まで幅広く語り合っています。

主なポイント

1. AI時代に人間に残る仕事

  • 作業や処理といった中間のプロセスは、ほぼロボットとAIに置き換わる。人間に残るのは「起点をつくる力」と「終わりに責任を取る(署名する)力」の2つだという。
  • 死がないAIには危機感も子孫を残す必要もなく、法的な権利は人間にしか認められていない。だからこの2つはAIには担えない。
  • 最新のAIを必死に追いかける「中途半端」な層の99%は意味を失う。生き残るのは、アルゴリズムをつくる0.1%の天才か、物質や制度を握る人たちだと佐藤氏は見る。
  • いま調子がいいのは、エネルギー、電力、不動産、政治家やブローカーなど、物質と権利を扱う「昭和ゴリゴリ」の人たちだという。
  • AIの後始末をする弁護士のように、新しい課題に合わせた職業も次々に生まれるとする。

2. 風を読む力と「白い目」

  • 佐藤氏は約10年前、AIボット同士がSNSで会話する未来を語って会場に笑われたが、それが現実になった。
  • 『お金2.0』は、マス(一般層)の反応を知るための実験だった。あえてベタなタイトルにし、電車の広告ジャックも行った。
  • 年配の人や感度の低い人が「アレルギー反応」を示す領域にこそチャンスがある。誰もが素晴らしいと言うものには、もうチャンスはない。
  • 「白い目で見られている」ことを、自分が新しい領域に踏み込んでいるサインとして使っている。
  • みんなが追いついてきたら引き際。今のYouTubeのように成熟した場で際どい攻め方をすると、炎上して戻れなくなるという。

3. 物語は「マイナス」から生まれる

  • ハリウッド映画にも使われる「シンデレラ曲線」のように、人が感動する物語には型がある。
  • 箕輪氏は週刊誌報道でテレビの仕事を失ったことで、YouTubeなど個人の発信に切り替えられた。順調なだけの人にはファンがつかないという。
  • 堀江貴文氏、ガーシー氏、カルロス・ゴーン氏のように、どん底から開き直って戻ってきた人は、より強い物語を持つ。
  • ただし、失敗を「演出」すると見透かされる。本気で没頭している当事者であることが前提だとしている。

4. 虚業と実業を分ける「アンカー」

  • 人間は、物語のレイヤー(認知層)と物質のレイヤー(物理層)を重ねて世界を認識している。物理や制度と結びついた共同幻想を「存在」と呼んでいるという。
  • 宗教が寺や教会、経典、仏像、礼拝の決まりを必要とするのも、YouTuberが不動産やオフ会を持つと「実態がある」と見られるのも、同じ理屈だとする。
  • 箕輪氏の中野のラーメン店のように、小さな商売でも物理的な拠点があることで信用のアンカーになる。
  • 言葉や概念は永遠に増えて価値が下がるが、物質の総量は増えない。だから本を「紙」で出すことには大きな意味がある。
  • 行き着くところは土地と国家で、武力で土地を奪い合う動きがぶり返しているのも、価値が増えないものに戻っている表れだと見ている。

5. 「おかしいだろう」と問いを立てる力

  • 佐藤氏は、人間には言語が足りないとして、文字、画像、音、色などの五感を組み合わせた新しい言語を考えている。
  • 「0と1は本当に分けられるのか」「愛はあるのに、なぜ虚業とは言われないのか」といった問いを持ち続けている。
  • 箕輪氏は、ヒカル氏と週刊誌訴訟のプロジェクトを立ち上げた。嘘を書いてもお金になり、訴えられても割に合う構造はおかしい、という問題意識からだという。
  • イーロン・マスク氏が火星を目指すのも、世の中が当たり前と思うことを「おかしい」と感じることから始まっている。
  • 年を取ると脳の神経回路が固まり、疑えるものが減っていく。自分の常識をひっくり返し続ける「筋トレ」で、それを防げるという。
  • ただ文句を言うだけの「けしからんおじさん」と違い、改善のプランと実行がセットになっていることが大事だとしている。

6. A面・B面・C面の時代へ

  • 上場企業や政治家など社会的責任を担う「A面」から、YouTuberやクリエイターなど個性で人気を集める「B面」の時代に移った。次は、スピリチュアル、臨死体験、肉体や精神の探求といった「C面」が来ると箕輪氏は見る。
  • 成功しても人生の「ネタバレ」で生きる実感を失った中年層が、こうした体験に向かっているという。
  • 佐藤氏は言語の構造が見えすぎて、どの本も「同じ」に見えるようになった。そのため、言語の外側にある知性に関心が移っているという。

まとめ・結論

AIとSNSで情報と言葉があふれた結果、価値は再び物質、土地、国家、そしてリアルなコミュニティへ戻りつつある、というのがこの対談の大きなテーマです。そのなかで人間に残るのは、世界を「おかしいだろう」と疑い、新しい問いと始まりをつくる力と、最後に責任を引き受ける力だ、と二人は語っています。


▶ 元動画を視聴する(佐藤航陽の宇宙会議)

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この記事を書いた人

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