▶ https://www.youtube.com/watch?v=02x6GYqPl-g
■ 3行でわかる
① AI上級者の間で話題の「ハエの脳を丸ごとAI化したモデル」「選択肢を選ぶだけの高速・低コストAI『Jev』」「オントロジー」という3つの最新トレンドを、初心者にもわかる言葉で解説している。
② Jevは文章も画像も生成しないため「驚き屋」には地味だが、経費仕訳やスキル選択など業務自動化の大半を占める「判断の分岐」を速く安く安定して処理でき、実務でAIを使う人ほど価値がわかる。
③ エンジニアリング領域がほぼ飽和した今、研究は脳の再現・リアルタイム判断・判断ロジックの構造化といった未解決課題へ向かっており、既存技術の延長で未来を予測せず早くAIと融合すべきだと説く。
動画の概要
AI活用系チャンネル「AI仙人」が、初の上級者向け企画として「AIガチ勢が夢中になっているトピック」を聞き手とのかけ合いで解説した動画です。裏テーマは「AIが発展しきった後に残る未解決問題と、その暫定的な解決策」。ハエの脳モデル、Jev、オントロジーとFDE(フォワード・デプロイド・エンジニア)を取り上げ、最後に視聴者からの質問にも答えています。
主なポイント
1. ハエの脳をまるごとAI化したモデル
- 従来のディープラーニングは脳を「模した」ものにすぎず、実際の脳とはあまり似ていなかった。今回はハエの脳の神経構造をほぼそのまま機械に移し替えたモデルが登場した。
- ドローンの操縦やルービックキューブなど、ハエの脳にさまざまな課題をやらせる遊びが一部で盛り上がっている。
- 人間の脳も一定程度は解析されており、ニューロン数の壁はあるものの、将来的には人間の脳の再現も視野に入る。
- 実現すれば広告への反応などあらゆる購買行動を予測できる「ディストピア的マーケティング」も可能になりうる。ただし脳研究は法規制が厳しく、現時点では技術的にも難しいとみている。
2. Jev ― 「選択肢を選ぶだけ」のAI
- 9月20日頃に登場したモデルで、文章も画像も生成せず、与えた選択肢の中から最もふさわしいものを選ぶことに特化している。そのため「驚き屋が驚けないAI」と呼ばれる。
- 特徴は「速くて安い」こと。例として、領収書の内容から会議費・消耗品・経費外などを一瞬で仕訳する用途が挙げられた。
- 従来のLLMでも構造化出力(JSON)で同じことはできたが、選択肢の順番で結果がぶれるなど、そもそも苦手な作業だった。Jevはこれを安定して処理できる。
- B2Bの実務でAIに任せる作業の多くは「判断の集積」。提案書テンプレートの選択や、大カテゴリ→小カテゴリと階層的に分岐させる使い方で真価を発揮すると予想。
- Claude Codeに組み込んでスキルの選択や必要なコンテキストの取捨選択をさせる使い方も可能。約2年のステルス研究を経ており、他社がすぐ同品質に追いつけるかは微妙とみている。
3. オントロジーとFDE
- コンテキストは単なる記憶だけでなく、データの関係性・状態・意味づけまで持たせないとAIは正しく判断できない。例えば「りんごの在庫100個」だけでは、梨も含めるべきかといった背景がわからない。
- 入社直後に社内規定を読んでも、情報がバラバラで意味がつかめない感覚に近い。これを立体的なネットワークとして定義するのがオントロジー。
- 米パランティアは、データの上に関係性や性質を定義する層を設けることで自動化を大きく進め、AI時代に改めて注目されている。
- 本来のFDE(フォワード・デプロイド・エンジニア)は、パランティアの巨大インフラを顧客企業にヒアリングしながら構築する人材。日本で「Claude Codeを持ち込んで自動化する人」をFDEと呼ぶのは本来の定義とは違うと指摘。
- オントロジーの記述方法にはまだ正解がなく、作るのは非常に手間がかかる。仙人自身は途中で断念したが、Jevのような技術で作業が楽になる可能性もあるという。
4. AI発展の先に残る未解決課題
- プロンプト→コンテキスト→AIエージェント開発と進み、エンジニアリング領域はほぼ飽和状態に近づいている。
- 残る課題は、文系領域、人間のような瞬時の判断(リアルタイム性)、人間の脳を忠実に模したアーキテクチャなど。今回の3トピックはその暫定解といえる。
- 教訓は「既存技術の延長線上で考えてはいけない」こと。かつて著名な研究者が「動画生成は難しい」と言ったがすぐ実現したように、予想外のルートから新技術が現れる。
- AIが研究自体を加速させるため、言語を介さないAI同士の通信などの予期せぬ技術も増える見込み。技術が出てから1年程度で実装まで進むため、人間が準備する時間は技術が出る前にしかない。
5. 視聴者からの質問への回答
- 「Astraが偵察ばかりで実装を進めない」という相談には、実装はFableに寄せ、完成基準を渡してゴールコマンドで動かす構成や、外側から「ちゃんとやれ」と指示を入れるハーネスループを提案。Astraの強みはコンピューターユースだとした。
- オントロジーについては、生成AIがなかった時代の産物であり、ハーネスやスキルと同様に「完全自動化」と現状のAIとの隙間を埋める過渡的なものではないかとの見解を示した。
まとめ・結論
ハエの脳モデル、Jev、オントロジーはいずれも、AIが社会に浸透する次のステージを左右しうる技術です。ただし、こうした最先端の話はAI活用力のうち1割程度にすぎず、残り9割はコンテキスト設計や言語化などの基礎力。基礎を固めたうえで、既存技術の延長にない変化に備え、早い段階からAIと融合しておくことが重要だと締めくくっています。
▶ 元動画を視聴する(AI仙人 【AI歴10年・ガチADHD男】)

