▶ https://www.youtube.com/watch?v=xyNJAkwGnNU
■ 3行でわかる
① 藤原直哉氏は、明治以来の体制が終わりを迎える今、明治の文明開化以上の「インフラ全体の更新」が必要であり、短期的な数字ではなく長期的な国と人生の方針を決める時期だと説く。
② 富士古文献に登場する「海幸・野幸・山幸」の三系統を軸に、量を競う野幸(明治以降の近代国家)と外と交易する海幸は不安定で、日本の本来の国柄は独自性と持続可能性を重んじる山幸だと分析する。
③ 各自がどの生き方を選ぶかを決めたうえで、脚付きロボットや地域の食の基盤、山・川・海の大整備など、失われた「山幸のインフラ」を国として大々的に整備すべきだと提言している。
動画の概要
経済評論家の藤原直哉氏による番組「21世紀はみんながリーダー」の2026年9月30日回。テーマは「インフラ全体の更新」です。日本の成り立ちを富士古文献の神話から読み解き、「海幸・野幸・山幸」という3つの生き方の違いを整理したうえで、明治体制の次に日本が整備すべき新しいインフラの方向性を語っています。
主なポイント
1. 日本の成り立ちと「海幸・野幸・山幸」
- 富士古文献では、ニニギノミコトに海幸・山幸・野幸の3人の子がいたとされる。海幸は漁業・海賊の世界、野幸は広大な平地を占有する農耕の世界、山幸は山の中で工夫して生きる世界を表す。
- 物語では海幸が最初に失脚して表舞台に出られなくなり、野幸の系統は富士の宮で滅ぼされる。今の日本は、実は山幸の国だという。
2. 野幸の世界 ― 量の経済と争い
- 米作りは国の基礎だが、田んぼは1枚より2枚が経済力・政治力・武力に直結するため、土地をめぐる争いが絶えない。弥生時代に集落が山の上へ逃げたのもその表れ。
- 工場の数、土地の広さ、社員の数など「量を増やした者が強い」という現代経済は野幸の発想で、最後は大きなトラブルに巻き込まれやすい。
- 府県知事の国による任命や徴兵制など、全国を直接支配する近代国民国家は明治から始まった。明治以降の体制は「野幸プラス海幸」であり、成長はしたが多くの人が亡くなるなど不安定で、日本の国柄に沿ったものかは疑問だとする。
- 大企業が何千人規模のリストラを行うドイツのように、野幸の世界ではあっという間に大量の人員整理が起こる。人口減少とともに野幸は減っていくと予想する。
3. 海幸の世界 ― 外との交易と「騙し」
- 海幸は外に出て交易し富を持ち帰る世界。原点の漁師は釣り針で魚を「騙して」釣るように、他地域との交易には騙し合いの側面がある。
- 古代から日本が外から攻められる時には、必ず国内に呼応する勢力がいた。海幸の世界は外を内に呼び込む危うさがあり、活動する場所を限る必要がある。
- ただし否定しているわけではなく、飛び回って商売するのが得意な人にとっては活躍の場がある。
4. 山幸の世界 ― 独自性と持続可能性
- 山の世界は峠一つ越えれば言葉も食べ物も違い、水の出方や気候も異なるため、兼併や買い占めが難しい。戦国大名も江戸幕府も直接支配ではなく、土地の豪族や有力者を味方につける契約的な支配だった。
- 山幸は山に住むことではなく、都会でも「人が真似できない独自の世界」をつくる発想。合併が難しく同業のいない会社のように、風土と個性を生かし持続可能な生き方の基盤をつくることが本質。
- 日本が付き合ってきた島国の多くは山がちな火山島で、欧州の小国や地域の個性を重んじるフランスなども山幸的な発想を持つ。山幸を理解すれば世界のどこへ行っても怖くないという。
- 藤原氏が以前から唱える観光立国論も山幸の発想。本当の観光資源は、その土地の人々が自らの衣食住を満喫して暮らすときに醸し出される「光」であり、観光とは地域おこしそのものだとする。
5. 三つの世界それぞれのインフラ
- 海幸のインフラ:海外との商売を支援すること。ただし開きすぎれば外国人の流入が過剰になり、閉じれば鎖国で疲弊する。海外との金や人の出入りの「窓の開け閉め」を調整することが政治の最大の勘所。
- 野幸のインフラ:工業・商業・サービス業・通信など、明治以来の体制の延長。やり方が大きく変わることはないとみる。
- 山幸のインフラ:平らな道を走る自動運転車は山では役に立たず、道なき場所を歩ける脚付きロボットこそ必要。少量でも土地を生かした食べ物をつくる基盤など、失われた山幸のインフラを国が大々的に整備すべきだとする。
- 都市でも一角だけ独自ルールで運営させる区域をつくれば、そこが山幸となり個性を生かせる。重要なのは現場の知恵と行動力で、理論は後からでよい。
6. 山・川・海の大整備
- 山・川・海をきれいにする「大整理」が大切。北朝鮮から日本へ2人が亡命した最近の出来事にも触れ、予言と現実が重なって見えると語った。
- ロシアに兵を送る北朝鮮の傭兵ほど哀れな話はなく、それなら日本の山の間伐材や下草を無償で持ち帰ってもらい、山の整備に協力してもらえばよいと独自の提案をしている。
まとめ・結論
明治体制が終わり次の時代をつくり替える今、一人ひとりが「海幸・野幸・山幸」のどの生き方で行くのかを決めることが重要だと藤原氏は強調します。とりわけ日本の本来の国柄である山幸のインフラを整備するという視点に立てば、日本の新しいインフラ整備に未来が見えてくる。知恵を総動員し、歴史に学びながら突破口を探るべきだと締めくくっています。
▶ 元動画を視聴する(あえるば_【公式】藤原直哉)

