【輸出最高の月に生産・消費・投資が全部マイナス】なぜ韓国の景気は半導体の値段そのものなのか?自動車生産は6年半ぶり規模の赤字、半導体は輸出の47%。定年延長と若者切り捨ての現実【令和 世界からの衝撃】

▶ https://www.youtube.com/watch?v=S6phF-i89EE

目次

■ 3行でわかる

① 韓国の8月の産業活動は、生産1.3%減・小売販売1.8%減・設備投資9.5%減の「トリプル減少」となった。一方、同じ月の輸出は982億ドルと前年比68.7%増え、8月として過去最高を記録した。

② 背景には、現代自動車労組の10年ぶりの全面ストで自動車生産が24.8%減ったことと、輸出の47%を占める半導体が「量ではなく値段」で3.1倍に膨らんでいることがある。しかし半導体の利益は社員と株主にとどまり、街には回っていない。

③ 賃金を下げない定年延長の陰で若者の採用が減り、韓国銀行も利上げと景気下支えの板挟みにある。諸星輝一氏は、韓国は半導体という「片発エンジン」だけで飛んでいると警告した。

動画の概要

元金融マンの諸星輝一(スルメ)氏が、韓国統計庁が発表した8月の産業活動の数字をもとに、輸出が過去最高なのに国内の生産・消費・投資がそろって落ち込んだ韓国経済の構造を解説した約17分の動画です。自動車ストと定年延長の問題、半導体頼みの危うさ、韓国銀行の手詰まり、日本との比較まで掘り下げています。

主なポイント

1. 輸出最高の月に「トリプル減少」

  • 8月は生産が前月比1.3%減、小売販売が1.8%減、設備投資が9.5%減で、3つそろってマイナスの「トリプル減少」は3か月ぶり
  • 製造業は4.8%減で、工場の稼働率は70.8%まで低下。在庫は0.6%増え、作った物が売れずに残り始めている
  • 同じ月の輸出は982億ドル余りで8月として過去最高、月間では史上3番目。前年比68.7%増で、貿易黒字も347億ドルと過去最大級だった

2. 自動車は6年半ぶりの落ち込み

  • 8月の自動車生産は前月比24.8%減で、コロナで工場が止まった2020年2月以来の落ち込み。部品を納めるゴム・プラスチックの生産も11%減った
  • 乗用車の販売は13.6%減で31か月ぶりの悪さ。輸出も30.1%減った
  • 主な原因は現代自動車労組のストで、8月は計60時間に及び、21日には10年ぶりの全面ストに踏み切った。生産の遅れは5万5200台、売上の損失は2兆ウォンを超えた
  • 政府は9月に主要指標が反発すると見ているが、稼働率7割の工場や売れ残った在庫といった問題は残ると指摘した

3. 定年延長と若者の締め出し

  • 暫定合意は、月約10万ウォンの賃上げに加えて成果給・一時金・自社株などを上乗せするもので、1人あたり約4000万ウォン(日本円で約430万円)に上る
  • 法律で定年が延びた場合、61〜63歳は賃金を下げずに雇用を続けることでも合意した。財界は、65歳への定年延長の議論の中でこれが製造業全体のひな型になると懸念している
  • 一方で20代の採用は5782人にとどまり、以前の年1万数千人の水準から大きく減った。2032年までに定年を迎える組合員は1万6325人いる
  • 人件費の総額が決まっている以上、削られたのはまだ組合員ではない若者だった。労使双方にとって合理的な選択の結果が若者の締め出しであり、それが韓国の縮図だとした

4. 半導体は「値段」で伸び、街には回らない

  • 8月の半導体輸出は466億ドル余りで前年の3.1倍、輸出全体の47%を占め、ほかを全部足しても届かない
  • AI向けメモリーの需要で値段が上がっているだけで、8月の半導体生産自体は2.2%減っている
  • 半導体工場は装置が作るため雇用が増えにくく、装置メーカーの多くは日本・オランダ・米国の企業である
  • 利益はサムスン電子とSKハイニックスの2社と株主に集まり、株主の半分以上は外国人。2社の社員は韓国の就業者の1%にも満たず、残り99%の暮らしは今回の統計の方が正確に表しているとした

5. 韓国銀行の手詰まりと株価

  • 韓国銀行は8月に2回連続の利上げで基準金利を3.0%とした。家計債務は日本円で200兆円を超え、ウォン安も進んでいる
  • 利上げを続ければ自動車・部品・小売りを痛めつけ、止めればウォン安と家計債務が悪化する。米国と日本が利上げするなかで、韓国だけが止まるのは難しい
  • 金利が効くのは半導体以外の弱い部分だけで、最も強い産業には効かない。これが中央銀行の手詰まりの中身だと解説した
  • KOSPIは前日2.7%安の6889。外国人が3兆200億ウォンを売り越し、サムスン電子は5.4%安、SKハイニックスは5.1%安だった。指数はもはや韓国経済ではなく半導体の値段を映しているとした

6. 日本との比較と投資の視点

  • 日本の輸出に占める自動車は2割弱で、裾野に何百万人もの雇用がある。韓国の半導体は輸出の半分を占めるのに、周りに街ができない。同じ「1本足」でも足の太さが違うと説明した
  • 2000年ごろの日本のITバブルと同じく、株価と実体経済がずれる時期は株価が先に折れやすいと指摘した
  • 韓国株を持つことは半導体の値段を買うことであり、ウォンを持つことは街の景気を持つことだとして、統計を「半導体」と「それ以外の韓国」に分けて見るよう勧めた

まとめ・結論

韓国の景気は半導体の値段そのものであり、半導体以外の韓国は輸出最高の月に沈んでいるというのが諸星氏の結論です。韓国は自動車と消費のエンジンが止まりかけたまま、米国のAI投資という外の風で回る半導体のエンジン1つで飛んでいる状態です。日本人が韓国の景気を見るなら、半導体の輸出額ではなく小売販売や稼働率を見た方が実態に近いと締めくくっています。


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この記事を書いた人

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