▶ https://www.youtube.com/watch?v=1rn3NH32hvI
■ 3行でわかる
① 渡邉哲也氏は、中国では不動産バブルの崩壊をきっかけに「売れない→工場が止まる→失業→さらに売れない」という負の連鎖が全土で起きており、個人資産の7割を占める不動産が溶け続けていると解説した。
② ローンを払えない「ブラック状態」の人が約1億人に上り、競売42万件のうち落札は10万件にとどまる。ギグワーカーの登録は8750万人に達し、若年層の失業率は日本の基準で50%を超えているという。
③ 政府が雇用を生まないEV・AI・半導体に資金を集中させ、地方の社会保障費はゼロコロナ政策で使い果たしたと指摘した。そのうえで、中国の民主化は大量の移民流出を招くため日本にとって脅威になりうると警告した。
動画の概要
経済評論家の渡邉哲也氏とアシスタントの蓮氏による番組「いまさら聞けない社会の仕組み」シーズン15の第4回(10月11日収録)です。日本と中国のバブル崩壊を比べるシリーズの最終回として、不動産バブルの崩壊から始まった中国のデフレの連鎖と、その社会への影響を解説しています。
主なポイント
1. 人を雇わない分野に集中する中国政府
- 低賃金の単純労働は他国に流出し、サービス業などで働く多くの人の仕事が失われている
- 本来は内需を喚起し、労働者の多い分野を支援すべきなのに、政府はEV・AI・半導体といった先端分野に資金を集中している
- こうした分野は少数の技術者で成り立つため雇用が生まれず、多くの人が暮らす分野にお金が回らない
2. 不動産崩壊と「ブラック状態」の1億人
- 不動産業には都市住民の3分の1が関わり、個人の資産形成の70%が不動産。その価値が溶け続けている
- ローンなどが払えない「ブラック状態」の人は約1億人、個人破産者は850万人に上るという
- 破産させると銀行やカード会社の財務が崩れるため、「金利だけでも払ってほしい」という対応になっている
- 昨年、競売にかけられた42万件のうち落札されたのは10万件だけで、担保の不動産を取っても換金できない
3. 負の連鎖とゴーストタウン
- 生活費の高い沿岸部の大都市から、仕事を失った人が田舎に戻り、さらに不動産が余る
- ショッピングセンターがゴーストタウン化し、「物が売れない→工場が止まる→失業→さらに売れない」という連鎖が続いている
- 不動産が余っているのに、ホームレスは4750万人に上ると渡邉氏は述べた
4. 失業を隠すギグワーカーと社会信用スコア
- 失業者に分類されると社会信用スコアが下がるため、週1時間でも働けば失業者にならない宅配などのギグワークに人が殺到している
- ギグワーカーの登録は8750万人に上る。AIによる価格競争で1件あたりの報酬は下がり続け、生きていけるほど稼げない
- 若年層の失業率は日本の基準で50%を超え、35歳以上は人件費が高いとして切られるため、仕事の継承も途絶えつつある
5. 使い果たされた社会保障
- 年金や社会保険がしっかりしているのは軍人・共産党員・国有企業の社員などに限られ、民間は不十分だった
- ゼロコロナ政策での毎日のPCR検査や隔離で、地方政府は社会保障のための基金を使い果たしたという
- 地方の病院では医師や看護師の給与が数か月遅れても、次の職がないため辞められない状況だと紹介した
- 生活のためにバブル期に買った高級時計などを売る人が増え、中古の高級品が大量に出回っている
6. 中国の行方と日本への影響
- 選択肢は、共産主義の初期に戻って公平な分配を行うか、資本移動の自由と民主化を進めるかだが、後者に進めば共産党の独裁体制は崩壊すると分析した
- ただし、規制が外れて十数億人が自由に移動できるようになれば、オーバーツーリズムどころではない影響が日本に及ぶと警告した
- 渡邉氏は、日本にとっては中国が国民を国内にとどめる体制のままの方がよいとの見方を示した
まとめ・結論
中国経済は、不動産バブルの崩壊を起点に、消費・生産・雇用がそろって縮む負の連鎖に陥っているというのが渡邉氏の分析です。日本のバブル崩壊とはまったく性質が異なり、雇用を生まない産業への投資と社会保障の欠如が人々の暮らしを追い詰めています。その行方は日本にも大きな影響を与えうるとして、注意を促しています。
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