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3行でわかる
① 財政破綻で171床の市立病院が19床の診療所に縮小した北海道夕張市では、在宅医療への転換で病床はほとんど埋まらなくなり、死亡率はほぼ変わらず医療費は大きく下がった。
② 日本は人口あたりの病床が米英の約5倍もあり、病院経営と「入院すれば安心」という患者の思い込みが噛み合って過剰医療が生まれ、高齢者の生活と幸福が損なわれていると森田医師は指摘する。
③ 医師会・製薬業界と行政の癒着で制度改革は期待しにくく、コロナワクチンの検証も進まない。医療を変える一番の近道は「病院に行けば安心」という市民側の意識の変化だと訴える。
動画の概要
人生を語るインタビューチャンネル「街録ch」に、プライマリ・ケア医の森田洋之氏が出演。財政破綻した夕張市での医療崩壊とその後の在宅医療の実態、高齢者への過剰な延命治療の問題、日本医師会や製薬業界と政治・行政の関係、コロナワクチンへの疑問などを、自身の異色の経歴(一橋大学経済学部からの医学部再入学、インディーズバンドでのデビュー)とともに語っています。
主なポイント
1. プライマリ・ケアとは
- 森田氏は医師歴20年余り。内科認定医・プライマリ・ケア認定医の資格を持ち、現在は鹿児島県で開業している。
- プライマリ・ケア(総合診療)は、内科・外科・小児科・精神科まで幅広く診る「昔の町のお医者さん」のような医療。世界では医師の半分ほどがプライマリ・ケア医だが、日本はガチガチの専門医主流になっている、ごく一部の国だという。
2. 夕張市の医療崩壊で何が起きたか
- 炭鉱の町だった夕張市は、石炭産業の衰退で人口が最大12万人から約5000人まで急減し、観光への転換も失敗して財政破綻した。
- 市内唯一の171床の市立総合病院は運営できなくなり、19床の診療所に縮小。高齢化率は日本一だった。
- 村上医師(当時の森田氏の上司)は「高齢者の多い町に本当に必要なのは、病院医療以上に生活を支える医療だ」と打ち出し、訪問看護や在宅医療を導入した。
- 高齢者や家族と膝を突き合わせて話すと、ほとんどの人が「できれば家がいい」と答えた。その結果、19床の病床は最大でも5床ほどしか埋まらなくなった。
- 破綻前後5年間の死亡率を比べると、ほとんどの病気で大きな変化はなく、医療費だけが大きく下がった。
3. 日本の過剰医療と「病院信仰」
- 日本は人口あたりの病床数が米英の約5倍。5倍も病人がいるはずはないのに、ほぼすべての病床が埋まっている。鹿児島県と静岡県でも、病床の多さに応じて入院患者数に約2倍の差があるという。
- 病院はスタッフの給料を払うためにも満床の方が経営上有利。患者側も「少しでも調子が悪ければ入院した方が安心」と思い込んでいる。医師に悪意はなく、本当に必要だと思っているからこそ「ウィンウィン」に見えてしまう。
- しかし入院すると、感染症対策による面会・外出制限や、転倒防止のための歩行制限で生活が管理される。高齢者は半年も入院すると歩けなくなってしまう。
4. ビジネス化する高齢者の延命治療
- 点滴などの治療の多くは在宅でもできるが、飲み薬で済むなら生活の制限が少ない飲み薬の方がよい。森田氏が治療目的の点滴をするのは年に1回ほど。
- 老衰で食べられなくなるのは、苦痛なく亡くなるために体に組み込まれた自然なプロセス。そこに水分補給の点滴を入れると、体中や肺に水がたまり、痛みを伴う痰の吸引が必要になってしまう。
- 自然なプロセスを見守れば、医療的な介入をほとんどせずに、家族に囲まれて笑顔で穏やかに亡くなることができる。病院の医師でもこのことを知らない人が多い。
- 研修医時代には、鼻からの管で栄養を入れられ、反応もないまま何年も天井を見つめる患者が6人部屋を何部屋も埋めている光景に疑問を持ったという。
5. 異色の経歴:経済学部からバンド、そして夕張へ
- 横浜市出身。駒場東邦中高から一浪して一橋大学経済学部へ。「就職だけはしたくない」と2回留年した。
- 阪神・淡路大震災でボランティアや仮設住宅建設のアルバイトをした際、医師に医学部を勧められ、半年の猛勉強で宮崎医科大学に合格した。
- 医学部時代はバンド「ピッチャーゴロ」でインディーズデビューし、アルバム2枚・シングル1枚を出したが、大きくは売れなかった。
- 内科研修中に夕張市の財政破綻を知り、経済学と医療の両面から「医療崩壊した町がどうなるのか」を見たくて、家族の反対を押し切って移住した。
- 村上医師が突然院長を辞任したため、研修を終えたばかりで院長に就任。派閥争いなどもあり、約1年で夕張を離れた。
6. 「医療崩壊のすすめ」と医療業界の反発
- 九州に戻って夕張のデータを分析し、TEDxKagoshimaで「医療崩壊のすすめ」と題して講演。大きな反響を呼んだ。
- 「病院が減っても医療費は下がり、健康度は変わらない」という夕張の事例は、世界一の病床大国で高齢化の最先端にある日本の未来の姿を示していると訴えた。
- 一方で医療業界からは「とんでもない奴だ」と言われ、日本医師会からは強く嫌われている。極端に言えば「病院の2〜3割は要らない」という話になり、医師会の利権の根本を崩しかねないからだ。
- 現在は鹿児島県の山間部で、介護スタッフと地域の人々が中心となり、医師がほとんど介入しない形で看取りまで支える地域医療に取り組んでいる。
7. コロナワクチンと新薬への疑問
- 森田氏は患者にも自分にもコロナワクチンを打たなかった。ファイザーの資料によれば、ラットの試験で接種部位にとどまるはずの成分が全身に回り、特に卵巣に多く集積していたと指摘する。
- 2021〜22年以降、死産率の上昇や、日本人の死亡数が10万〜15万人増えていることを挙げ、「因果関係は分からず断定もできないが、かなり怪しい」と述べた。国は「重大な懸念は認められない」と答弁しているが、疑わしいなら調べるのが筋だという。
- 新薬の多くは実感できるほどの効果がなく、後からどんな副作用が出るか分からないため「新薬は基本的に使わない」のが医学の鉄則だという。薬害エイズやサリドマイドがその例。
- 緊急承認で1年ほどでできたワクチンを、高齢者だけでなく若者、さらには生後6か月の乳児まで対象にしたことを問題視した。
- 以前は肺炎で毎年10万人以上の高齢者が亡くなっていた。コロナ以降は肺炎が7万人に減り、コロナが3万人増えただけで「何も変わっていないのではないか」との見方も示した。
8. 医療を変える3つの道
- 医療業界から変える:若手の育成などが考えられるが、ビジネス感覚の医師が多く、厳しい。
- 国・行政が制度を変える:診療報酬や病床制度の見直しは可能だが、医師会や製薬業界とは「ズブズブ」で、天下りなどの「回転ドア」で忖度が働くため期待薄。
- 市民・患者の意識が変わる:「医療にかかれば安心」「入院すれば安心」というイメージが変わることが一番の近道。そのために森田氏は毎日のYouTube発信や執筆を続けている。
- 「恐怖は人々の心を支配し、冷静な判断を奪う。目に見えない感染症は最も恐怖を与えやすい」とし、コロナ対応の検証をしなければ次も同じことを繰り返すと警鐘を鳴らした。

